そういう論文ってどれだけの数あるかわからないのだけど,こんなメタ分析があるって考える。 (潜在変数としての)英語の力と(同じく潜在変数としての)国語(母語?)の力の関係をメタ分析でもとめる,という話にしよう。基本的に,英語の力(の推定値)は…
ジョンソンの分布っていうのは,こんな感じ。PDFとかCDFとか。Johnson's SU-distribution - Wikipedia, the free encyclopedia この分布は4パラミターある。 γ δ ξ λ このように贅沢な関数なので,やはり表現力は高い。 Rでは,SuppDistsパッケージなどでこ…
ある被験者になんかの判断課題,32試行やってもらったとしよう。正答数は18個。なので正答率は18/32 = .56くらい。この人の判断は,チンパンジー(チャンスレート)より優れているとどれくらいいえるのだろうか。ベイズ因子で考える。まずは,普通に母比率の…
(最近バカのひとつ覚えの要領で話すネタ) (今年のCELESのワークショップ,LETのシンポ,全国英語教育学会のワークショップにお越しいただいた方,駄弁にお付き合いいただき,ありがとうございました) 1990年代前後から英語教育研究は欧米で流行していた…
これ,どうやってご説明差し上げたらいいか迷ってたけど,説明用のグラフ用意した。 当たり前だけど相関係数と密接な関係がある(なのであまり操作としてよくない) 相関が十分に高いとき,それぞれ分割した変数の方は当然正規性が満たされなくなる(←これが…
この前,猛暑の東京で学会があった。盛会でなによりでした。 ところで,この学会を通じて,参加者の先生方にはあることがお心に残られたと思う。 講演,シンポジウム,発表中にスライドを逐一撮影することはどうなのか,ということ。 確かにすごい頻度で目に…
観測が大事だというひと。 実験手法,実験方法,実験計画の精密さ,脅威要因を「事前に工夫して」排除する人,実験操作によって交絡変数の影響を取り除こうとする人。 そういう人にとっては,統計解析でデータをごまかすことは本質的ではない。 料理でいうな…
巷にあふれるこんな話。 「女性の方がそもそもコミュニケーションが好きだから外国語もできる」(コミュニケーション意欲万能説) 「大体子どもを見ていると女の子のほうが発達がはやいよ。だから外国語もそうだ」(母語獲得投影説) 「英語は女性をエンパワ…
今年の全国英語教育学会でアクセシビリティに関する研究が複数あるようだ。(勉強させてもらいにいきます) 学会運営側も,発表枠(分野)に「特支」という用語を振ったようだ。 自分自身も長いこと気になっているテーマなので,今後このような研究が増える…
因子分析した後にそれぞれの因子についてその因子得点を求めるとき,実は因子得点にはいろいろな計算方法がある,っていうことが結構見逃されている気がする。 Rだったら,一番メジャーなのは,psychパッケージのfa関数。 これでやったあとにfactor.scores関…
外国語教育研究では,たまに妥当性を, 科学的コミュニティにおいてある変数の質やある実験手順が広く受けいられている度合い 科学的コミュニティが共有している変数の質に対する信念の度合い 一般に「妥当性についての証拠とされる観測」が過去に示された程…
還元主義一般の話 自分は強烈な還元主義者だと思うのだけど,還元主義の限界は日頃から意識しているつもり。むしろ,意味のなかった還元などについては,一段階前に戻そうと思う時も最近は多くなった。 還元(reduction)とは,たとえば「Aとは結局のところC…
ある質的な成果指標(ある試験の合格・不合格)がある。テストが終わったあとに,合格した人と不合格だった人に,どの教科書(A,B)を使っていたかそれぞれ聞く。すると以下のようなクロス集計が得られる。このとき,使用した教科書と合格・不合格の関係を…
1960年代「地方も含めて全国の国立大学で教員養成しろだって。とりあえず体裁もあるから俺たちの研究は学問ってことにしよう,急げ急げ」 1960年代末~1970年代前半「よし,とりあえず関係者で集まって組織を作って学会にしよう」 1970年代半ば「英語教育学…
たまには真面目なことを記事にしよう。ここ1年くらい夢中になっているDiffusion Modelの話。 Diffusion Modelっていうのは,2値判断課題における正答率と反応時間の分布を<同時に扱う>数理的モデル。「信号検出理論(SDT)に反応時間を足したようなもの」…
年を取るとやっぱり勉強できなくなる。 業務上必要なのに,自分が怠けて勉強しなかったばっかりに結局はできないままのことも多い。これまで自分がどれだけサボってきたかという,悔しくて仕方ないもの。若いときの過ごし方ってのはやはり大事だと思う。以下…
学習時間(もとい,ICT教材などへのログイン時間)は往々にしてガンマ分布やワイブル分布やその他の親族の分布に従う。もう,これは外国語教育研究の定番でいいんじゃないかと。まあ,記述的には最尤推定して形状母数や尺度母数と対数尤度,AIC,BICなどを報…
何故か知らんかった。plot関数って思ったより賢い。(いや,plot関数が賢いのは昔から当たり前なんだけど)ひとつのグループ化変数とひとつの連続量を入れたデータフレームがあるとする。こんなふうにして作ろう。 group<-c(rep("a",25),rep("b",25)) score<…
ファスナーって,たまに使いすぎたりすると馬鹿になってしまう。 先日,超お気に入りのクラッチバッグのファスナーが馬鹿になってしまった。 スライダーは動くのだけど,うまくエレメントを噛んでくれなくなって,閉めているはずがスライダーのけつから開い…
厳密な意味での因果関係が不明でもアカウンタビリティは保たれているって場合はよくある。アカウンタビリティをどのように考えるかによるけども。 「過去,学生のうち,平均的に100時間学習した人たちの80%は70点を取った」 「過去,学生のうち,平均的に10…
オンライン教材へのログイン時間といった学習履歴は,現在の外国語教育現場では容易に得られるようになってきていて,(主に探索的な目論見で)分析に組み込まれることが多くなってきている。しかし外国語教育研究ではこういったデータの分析の歴史は浅く,…
まずはこれ。 www.amazon.co.jp とか, www.amazon.co.jp これを読むのだそう。 あとなんかいろいろあった。最近のも多い。 www.amazon.co.jp www.amazon.co.jp www.amazon.co.jp www.amazon.co.jp www.amazon.co.jp www.amazon.co.jp www.amazon.co.jp www.…
好きだよねえ。みんな大好き。 Aには(得てして海外で)有名な(そして得てして尺度の翻訳版が確立していない)構成概念 Bには(得てして海外で)有名な(そして得てして尺度の翻訳版が確立していない)別の構成概念 Cには自分の興味のある国,校種など でも…
あるテストを実施したとき,クラスごとに合計得点をもとめたいとか,そういうことって外国語教育ではよくある(そういうことしかない気もする)。 男女とか,3クラスとかだったらね,記述統計をエクセルでそれぞれ手動でもとめてもいいかもだけど,20クラス…
Rのメタ分析パッケージ多すぎて何がなんだかなんだけど,相関係数関係はmetacorってのがシンプル。rmeta風ね。 https://cran.r-project.org/web/packages/metacor/metacor.pdf #パッケージの準備 install.packages("metacor") library(metacor) #データの準…
テトラコリック相関係数でメタ分析したいときに,先行研究がオッズ比で報告してたりするからどうするんだって話があるそうな。もちろんクロス集計があればいいのだけど,それがないときはどうするか。オッズ比からテトラコリック相関係数の近似値を求める方…
標準偏差の平均を知りたいという問い合わせ。 評定者が何人かいて,評定者の評定の平均的なばらつきを知りたいのだと。 単純に相加平均しちゃだめで,評定した人の数が一緒だとして,こういうふうにする。 でも,ちょっと微妙。 評定が連続量なのかってのは…
今更だけど,BESTっていうパッケージなんだって。Bayesian Estimation Supersedes the T-testということでBESTパッケージ。うむうむ。https://cran.r-project.org/web/packages/BEST/vignettes/BEST.pdf CRAN - Package BESTなるほどね。基本はまずJAGSでMCM…
…という矢の問い合わせ。基本図の中はサンセリフでいいと思うんだけど,わざわざこういう指定のジャーナルもあるんだそう。 なるほど。 windowsFonts(TNR = windowsFont("Times New Roman")) par(family="TNR") x<-data.frame("How about"=rnorm(100),"this"…
どうも目指す職業の職務的技能に関する適性に恵まれなかったようで、書くのが嫌でしかたない。というか職務的技能の中で特に研究に関してはどうにかならないものかといつも頭を悩ませている。勉強するのは苦手でないしまあ好きだ。むしろインプットは得意か…