草薙の研究ログ

英語の先生をやってます。

「おい,海外でなんかNHSTとかいう科学的なことやっているぞ!」

1960年代「地方も含めて全国の国立大学で教員養成しろだって。とりあえず体裁もあるから俺たちの研究は学問ってことにしよう,急げ急げ」

1960年代末~1970年代前半「よし,とりあえず関係者で集まって組織を作って学会にしよう」

1970年代半ば「英語教育学って一体何をするのか,どんな目標か,位置づけをどうしよう???まずは科学とはなにか,そもそも我々がやるのは科学なのか?」

1970年代半ば「よくわかんない,とりあえずそういう哲学は置いておいて,教員養成のカリキュラムとかそういうのを定めて,指導技術,実践,教材を保存していこう。教員養成しなきゃだし,まずは授業の質をあげることを考えよう」

1970年代半ば「LL(language laboratory)と生成文法ってめっちゃ新進気鋭」

1980年代半ば「おい!なんか海外で応用言語学とかSLAとかいう奴らが統計的仮説検定っていう超科学的なことやっているぞ!」

1990年代前半「若い奴らがこぞって海外留学して応用言語学とかSLAを学んでいるらしい」

1990年代半ば「海外の事例でもそうなのか,英語できないのって仕方ないかもしれないな…」

1990年代後半「その指導の効果って理論的および実証的根拠あるんですか?検定したんですか?…そもそも学習者の普遍性をもとめましょうよ」

2000年代前半「結局英語の学習ってのは頭のなかの仕組みと出来事なんだ,心理学的な実験をしよう!メンタルレキシコン!ワーキングメモリ!コーパス!」

2000年代前半「大学院重点化はわかるけど,院生多すぎじゃね…?」

2000年代前半「アンケート結果を構造方程式モデリングするのおもしろい」

2000年代後半「認知的にいい指導法考えた,みんなでこれやろう」

2000年代後半「今の時代は脳機能イメージングでしょう」

2000年代末「統計使って論文書かなきゃ…統計使って論文書かなきゃ」

2010年代初頭「今更やけど統計的仮説検定ってそんなによくないらしいねん,効果量っての計算したらいいで」

2010年代初頭「メタ分析最強らしいって研究会で聞いた」

2010年代半ば「データサイエンスきた!ビッグデータビッグデータ!」

2010年代半ば「え?ベイズってなに?すごいのそれ」

2010年代半ば「関連学会多すぎ,しかも学際化しすぎて他人の研究の内容全然わかんないwwww」

2010年代半ば「ああもう,なんだかよくわからなくなってきた,そもそもこんなんやりたいんだったかな,質的研究しよ」

時を超えて「ああでも,もともとはいい授業やりたいって思って始めたんだよな…」