草薙の研究ログ

英語教育関係。でも最近は統計(特にR)ネタが中心。

全然わからない研究の話に巻き込まれたときに使う表現集

よくわからない研究の話に巻き込まれる!

私は,大学において外国語科目の授業を行い,外国語の教育,特に高等教育におけるそれに関することを一応研究上の専門としているのだけど,この分野は「〇〇学」と一括りにできるようなものではない。たとえば,私の学位は学術であって〇〇学ではないし,関連学会にはさまざまな「学」を名乗る方が混在している。まあ,平たくいえば,学際分野のひとつになっているわけ。

学際分野といえば聞こえはいいけど,要するにさまざまな経歴,背景,信条,技術をお持ちの方が近くにいっぱいいらっしゃるわけで,具体的にいえば,文学,言語学,教育学,心理学,最近では工学,経済学,社会学などに関連するキャリアをおもちの方々がひとつの学会に集まったり,査読をしあったりするというわけだ。上記のような名前が入る学会にこちらから勉強しにいくこともある。

根本的に私が不勉強なだけなのかもだけど,当然ながら,このような多様化が進むにつれて,コミュニケーションはうまくいかなくなってくる理屈だ。懇親会に勇気を振り絞って参加してみたものの,言葉を交わす相手がまったくなにをおっしゃっているかがわからないことが(少なくとも私には)ままある。はっきりいって専門用語が多すぎてついていけない。この分野にはアルファベット略の専門用語も多すぎる。なにか薬学とか化学の話をしているのかな?などと思ってしまう。

どうにかしてうまく乗り切りたい!

そのたびごとに,こちらが意を介していないような素振りを見せたり,露骨に不機嫌な顔をしたりするのは社会人として慎みたいところだ。…ああ,そうか,「カラオケに見られるような互恵主義的慣習がここでうまく機能しているのだなあ」とでも思いたい。私はあなたの話をまったく介していないし面白くもないし,お酒はもういいから帰ってホテルでhuluとかnetflixとか使って海外ドラマを鑑賞したいのだけど,ああ,それでも私の話を聞いてもらったのだから,今度はこちらも話を合わせるのが礼儀か,みたいな。つまり,そういうことみたい。

しかし,変に内容に質問したりコメントをしたりすると,学の浅いやつだと思われてしまう。できれば,まったくお話の内容には関知せずに,さもお話の内容を理解しているような態度を見せつつ,話し手を気持ちよくするような合いの手を入れたい。

合いの手を入れる!

そういうときに,以下のような表現が役に立つかも。5種類くらいをランダムにいっておけば間違いない。

  • …なるほど…そうなりますか…
  • それは先生らしい着眼点ですね
  • ほーほー,面白そうですね
  • なかなかそれをなさる研究者はいらっしゃらないでしょう
  • 本当に,〇〇を研究なさる方には頭が下がります
  • その研究テーマは,重要性に反して本当に研究が少ないですよね
  • まさに今の社会には必要な研究ですね
  • そのように思っている研究者は多いと思います
  • 測定の精度も問題というわけですね
  • それが何を測っているかを真剣に考えてみるわけですか
  • いろんなところにバイアスがあるのが科学ですからねえ
  • きっと素晴らしい論文になるでしょう
  • これまでのモデルでは明らかにうまくいかなかったですものね
  • そういう研究はこれまで聞いたことがありませんねえ(勉強不足で)
  • そういうところをしっかりしてないのが過去の研究の悪いところですね
  • それは今後流行ると確信していました
  • そのデータを取るのも簡単ではありませんよね
  • 私も実はずっとそうじゃないかと思っていました
  • 確かに問題がなかったとはいえませんものね

内容などに一切関知せずに,それっぽくなる。無情報がもっとも安全だというわけだ。コールドリーディングとかのテクニックに似ている。

話題を移行させる!

ちょっとだけ知識があるんだったら,不勉強をこちらから告白して御高説モードに移行させるのもひとつのテクだ。下手に質問するよりはるかに安全。

  • その分野は,〇〇(2010)の概論書を斜め読みしたぐらいで…
  • なかなか私のようなものにはその分野は手が出ないところにありまして
  • その分野は,難しくてなかなかついていけておりませんもので…

こうすると御高説モードになるから,いい塩梅で思い切り,

  • 先生,今日は勉強させていただいてありがとうございました。できれば今度,どこかでご講演をお願いしたいところですが,私などにはそんな裁量はなくて…えへへ

これでバッチリ。

ちょっと強引だけど,どうしても話を変えたいときは,

  • 先生,今回はどちらのホテルをお取りです?
  • せっかくですからなにか美味しいものを食べて帰りたいですねえ
  • 今年は晴れてよかったですねえ

などと,天気,土地,旅行など差し障りのないネタを入れて牽制する。中年以上のベテランの方には健康の話やご子息の話をしておけば安全。若手中堅は子育て,勤務,待遇,学会運営の話を,とにかく愚痴に共感すると小難しい研究の話をされずに済む。院生には業績や恋愛の話をしておく。このように話題転換も大事かな,と。

  • 先生はいつもご健康でいらっしゃいますねえ
  • ご子息はもう大学を出るころですか
  • お子さんはいくつになられるんでしたっけ?
  • 〇〇さんも大変そうですねえ
  • なかなか院生には大変な時期だよねえ
  • いきなり失礼だけど,えと,あの,聞きづらいんだけど…

これで話題が変えられるかも。これで学会で全然わからない研究の話に巻き込まれても安心だ。

 

…なんだこの記事?