草薙の研究ログ

英語の先生をやってます。

数式の中でイタリックにするものしないもの

いつもながら自分は大変に不勉強なもので,だいぶ恥をかき続けてしまっていた。
要は,数式の中でこういう表記をするのはあまりよくないって話。


logit(p_i) = ln(\frac{p_i}{1-p_i})


これだと流石に自分程度でもかなり格好悪いのがわかる。
…こうじゃなくてはならない。


{\rm logit}(p_i) = {\rm ln}(\frac{p_i}{1-p_i})


そうだな,expとかlnとかlogitは数式の中で直立体でないとダメだなあと理解できる。
変数lと変数nが仮にあったとしたら,lnこれらの変数の積のように読めてしまう
しかし,これだとどうだろう?自分はなんか全然悪くない気がしてしまう。
それに実際自分でこう書いてしまっている論文なども多い。


c=-\frac{1}{2} \{z(HR)+ z(FAR)\}


調べたら,信号検出理論の教科書などでは,こうイタリックで書いているものもある。
見慣れてしまっているから,なんか許せてしまうけど,確かに,HRHRの積かもしれない。
慣習はおいておいて,直立体にすべきだと思った。


c=-\frac{1}{2} \{z(\rm HR)+ z(\rm FAR)\}


最近多いのは,ベイズの事前分布とかで,


\beta_j \sim Normal(0, 1000)


みたいな。だいぶ自分もやってしまっている。
これも,やっぱりこうするべき。


\beta_j \sim {\rm Normal}(0, 1000)


国内外問わず,結構イタになっている例もあるし,最悪著者が論文内で一貫していないのもあるんだけど,気をつけたいものだ。
でもこれ,こう書いたらイタなんだよな。


\beta_j \sim N(0, 1000)


添字も同じことがあるよね。


CV_{RT}=\frac{\sigma_{RT}}{\mu_{RT}}


は,


CV_{\rm RT}=\frac{\sigma_{\rm RT}}{\mu_{\rm RT}}


って書いて,あれ,CVはイタでいいのか,みたいな話になる。微妙だ。
微妙っていえば,微分で出てくるdも本来は直立体なんだけど,慣習的にイタリックになっているそう。


\frac{dN}{dt}=-\lambda N


みたいに。でもちょっと調べたら直立体もあった。


\frac{{\rm d}N}{{\rm d}t}=-\lambda N



うむ。よくよく気をつけたいものだ。慣習っていうのもあるのだろうし,ま,それよりも数式の中身が重要だ,っていうひともいるだろうけど。
なんといっても,TeXで打つときに,\rmをめんどくさがったらダメってはなしだな。