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草薙の研究ログ

英語教育関係。でも最近は統計(特にR)ネタが中心。

女性の方が英語ができるって話を聞いた時に専門家の端くれとして返すべき一言

教育

巷にあふれるこんな話。

  • 「女性の方がそもそもコミュニケーションが好きだから外国語もできる」(コミュニケーション意欲万能説)
  • 「大体子どもを見ていると女の子のほうが発達がはやいよ。だから外国語もそうだ」(母語獲得投影説)
  • 「英語は女性をエンパワーするから女性の方が(合理的選択として)英語をよく学習するし,だから結果として英語もできる」(エンパワーメント意識行動強化説)
  • 「女性の方が異文化に適用しやすいから言葉もそうだ」(文化適応力説)
  • 「女性のほうが,文法とかの間違いを気にしないから,どんどんスピード重視で話すからよく評価されるし,実際伸びる」(speed-accuracy tradeoff仲介説,拙論,草薙, 2016で実証的に否定)
  • 「古来,狩猟採集民(hunter-gatherer)であったとき,男性は集団で狩りに,女性は家で寝そべっておしゃべりしていた。だから女性の方が英語が得意なんだ」(進化論的なぜなぜ話)

こういう話を聞いた時,一応は専門家の端くれとしてどうしたらいいか。

おすすめ対応ランキング,第三位。

「真的(ジェンダ)吗?」

…はい。

 

第二位。

「そ,そうですねぇ(…俺はあんまそんな論文見たことないけどな)」

あんましつこいとこうなる。

 

第一位。

「巷でそういう風に言われるのもわかりますし,教師としてそういう直感をもつこともあると思います。しかし,そういうのってあんまり研究が進んでいなくて,はっきり言って科学的にはまだまだよくわからないことだらけなんですよ。少なくとも自分の生徒や学生には,そういう意識をこちらから押し付けたくはないですね」

これをテンプレにしたい。

 

それにこういうとき,多数派の性(生物学的な性と性自認が一致し,性志向が自分の性とは異なる人)のみで終わる話ではいけないとも思う。