草薙の研究ログ

英語の先生をやってます。

論文数の年間ノルマ

どうも目指す職業の職務的技能に関する適性に恵まれなかったようで、書くのが嫌でしかたない。というか職務的技能の中で特に研究に関してはどうにかならないものかといつも頭を悩ませている。

勉強するのは苦手でないしまあ好きだ。むしろインプットは得意かもしれない。ただアウトプットはできない。それに学問に対する興味自体がすごい勢いで逃げていく。自分の場合、音速だ。

道を変えるかと幾度となく考えたけど、下積みにもう何年もかけている。他に何ができるわけでもない。そもそも道を何度も変えて、あるべきところから全て逃げて、この道に来た。農家の長男として育ったのに普通高校に入って教師を目指した。7つからやってた剣道もやめた。教師としての訓練を受けたのに院生になった。恩を一方的に受けながらも結局は故郷からも離れた。もう何からも逃げられない。一生逃げるなんてごめんだ。

なんて思いつめていた2012年は博士後期1年だったか、とにかく研究から逃げたくてしかたなかった。それでも自分を奮い立たせて自分に毎年の論文数ノルマを課すことにした。

「なんでもいいから、自分の名前が入る業績を年に10本出す」

人によっては当たり前のレベルだろうけど、当時無業績だった自分には途方もない目標に見えた。でも達成動機とか期待価値理論から見て動機づけが最大化されるのだと無理矢理思うようにした。つまり成功確率は半分だと。動機づけのために認識自体を歪める荒業。

2012年に書いた(大概は次の年出る)論文数はやはりノルマに届かなかった。それで大分凹んだ。退学届けの下書きを大分用意した(笑)。
2014年に出た論文数はノルマに届いた。ただ自分でも質の低さに嫌気がさした。たくさん落ちた。
2015年に出た論文数もノルマに届いた。相変わらず質に満足はできなかった。
2016年、今のところ7本が確定しているし手元に原稿が溜まっているので、なんとかなりそう。ただ質はなにひとつ満足いかない。

なんだかんでいって、ノルマはこなせるようになった。数値目標はたかが数値目標で意味がないけど、とりあえず論文というものを書いてみないと練習にならないから、その意味でもよかったとは思う。

一方で大半は私の後輩たちの研究にいれてもらっただけのものなので、ファースト率がかなり低い。なので、次の年(2017年)からのノルマは、

「ファーストを年間10本」

にする。もちろん、質も上げていきたい。いつまでも恥ずかしいレベルの院生でいたくない。今年を境目に汚名挽回していきたい。