草薙の研究ログ

英語教育関係。でも最近は統計(特にR)ネタが中心。

富豪的分析

直接ではないが師匠筋にあたる(むしろ私の指導教官とみなされることがかなり多い)O先生が、私の後輩たちに増井先生の富豪的プログラミングについて語ったという。

私はプログラミングに関して素人同然なので必然的に富豪的なんだけど、富豪的ってのは時と場合によっていいことがある。まあ何事も多様性があるのが大事ってお釈迦様もいってた。

富豪的プログラミングってのは、基本的に計算や保存の資源をギリギリに節約しないほうが生産性を上げるって考え。逆に無理矢理省エネ化や必要以上の高性能にして開発やメンテのコストを上げることもよしとしない。豊かにあくせくしないって態度がうまくいくってこと。

これは分析や論文執筆にもいえる。

まず研究課題に対する答えにもっとも効率的に至る分析結果のみを単独で示すこと(これはよしとされる)がいつも最善とは限らない。たとえばその分析が誤りな場合に逆に論全体を損ねる。また、読み手がその分析を解しない場合もある。このように豊かに(悪くいえばちょっとゆるく)分析を示すことがいい場合もある。言い換えれば、多少の冗長性(審美性を損ねるが)もいいじゃないのか。

もちろん論文には紙幅があり、常にきつきつになる。ただきつきつな科学的コミュニケーションだけじゃなくていいだろうなんてね。

たとえば変数中心的に因子分析するようなデータは人中心的に混合分布モデルにしてもいい。複眼的な分析でいいじゃないの。どうせただひとつの解がもとるようなんじゃない、むしろ再現性のない分野なんだしね。

というわけで富豪的分析、場合によってはどうでしょう。もちろん、文芸的プログラミングないし文芸的分析もね。