草薙の研究ログ

英語の先生をやってます。

じわじわくる理屈

私たちの友達グループ

ある友達のグループで,これまでの人生で付き合ってきたひとの数を集計してみたら,大体真ん中(50%点)ぐらいが12人だったという。世では4人くらいを「普通」だといっているんだけど,私たちの友達グループでは12人を「普通」と呼ぼう…

ある分野でこれまでの研究で報告されてきた効果量(d)の値を集計してみたら,大体真ん中(50%点)ぐらいが0.70だったという。Cohenの慣習的基準は0.5を「中」とラベルづけているんだけど,この分野では0.50ではなくて0.70くらいを効果量「中」と呼ぼう…

 

修論前の院生

「俺の修論で対象にする現象ってさあ,効果量小だからさあ,めっちゃ標本サイズ必要なんだよねえ…200組はないと検定できないんだ」

「お前の分野可哀想だなあ,おれの分野の効果量小だったら50組くらいで済むのに」

 

再度私たちの友達グループ

「あれだよねえ,これまでに付き合った人の数が多いってことは,つまり,身持ちが悪いってことだよねえ…私たちのグループってみんな元カレ多すぎない?みんな身持ちが悪いってこと?でもみんながそうだからいいのか…」

「あれだよねえ,私たちの研究分野で報告された効果量が概して大きいってことは,標本サイズの統制が困難なものだから,大きな効果量をもつ研究にしか適切な検定をおこなえずに,効果量が大きな現象しか学問的な対象にできていないってことじゃないの?でも,うちの研究の分野ではみんなそうだからいいのか…」